前回、「トリーツポーチタグを使ったタグプレイ」の基本トレーニング方法の一例をご紹介しましたが、今回はトリーツポーチタグの素材や形の違いをご紹介します。
トリーツポーチタグには色々なタイプのポーチタグがあります。本物の毛皮を 使ったものからナイロン生地やフリース生地を使ったものなどがあり、タグの素材を変えることで犬の意欲をより引き出すものから、ハンドル部分がバンジータイプや取っ手が両端にある2ハンドルタイプのものスティックタイプのものまで様々です。素材を変えたり、形を変えることでより良く犬の意欲を引き出し、様々なドッグトレーニングで活用できるように工夫されています。
- 本物の毛皮を使用したタイプ
本物のウサギやヒツジの毛皮を使ったポーチタグです。本物の毛皮を使うことでそれぞれの毛皮の持つ独特の臭いや触感で犬が本来持っている意欲を引き出すことを狙いとしているタグです。
毛皮の種類としてはヒツジやウサギの毛皮を使ったものが一般的ですが、より刺激的な臭いや触覚を持つバッファローやコヨーテ、アライグマなどの毛皮を使用しているタグもあります。「刺激的な臭い」と云っても特に強烈な臭いを発している訳ではありません。人の嗅覚ではあまり臭いの違いは判りませんが、犬の嗅覚をもってすれば独特で刺激的な臭いを感じ取っているのかも知れません。
メーカーに毛皮の違いを尋ねたところ、ヒツジやウサギではあまり興味を示さなかった犬がバッファローやコヨーテに代えたところ、とても興味を示したそうです。 臭いや触感にも嗜好性や好みがあるのかも知れませんね。
実際に多くに犬たちが本物の毛皮を使ったタグに興味を示し、噛んだり、振り回したり、引っ張ったりする犬本来の欲求行動を示しました。
我が家のボーダーコリーは顕著で、これまではフリースタグでタグプレイを楽しんでおりましたが、毛皮を使ったポーチタグに代えてからは人が変わった、もとい、犬が変わったように夢中で遊ぶようになりました。おやつ大好き!引っ張り遊び大好き!のマオにとっては楽しくてしょうがないみたいで、とにかく噛んで、振り回したいようです。楽しすぎで何度か手を噛まれましたが・・・(泣)
実際にアジリティトレーニングで毛皮のポーチタグを使ってみましたが、従来のフリースタグよりもターゲットモチベーターとしての意識が高まったように思えます。
また、別のご意見として寄せられているのが、
楽しそうに噛んだり振り回したりするのは良いけどヨダレが凄くて・・・(^^;)
確かにヨダレはかなり凄いかも知れません。うちの犬達も遊んでいるうちにベトベトになって来ました。ベトベトになったタグをポケットに入れたり出したりするのはちょっと抵抗があるかも知れません。
- ナイロン生地、フリース生地、マイクロファイバー生地を使用したタイプ
特に毛皮でなくても十分意欲的な犬や、タグプレイよりもどちらかと云えばおやつ大好きな犬あればナイロン生地やフリース生地、マイクロファイバー生地のポーチタグが丈夫で軽く、使い勝手が良いかも知れません。
毛皮ほどにはヨダレでベタベタになったりすることもなく、お手入れも洗濯機で洗うこともできます。
形状もシングルハンドルのものから2ハンドルタイプのものがあり、犬の好みやトレーニング用途に併せて使い分けることができます。
- ポーチ間口の大きさ
トリーツポーチタグのポーチ間口はタイプによって10cm~20cmまで様々です。 犬の口の大きさやマズルの長さによって使い分けることができます。ラブラドールやボーダーコリーと云った中型犬から大型犬はできる限りポーチ間口の広いタイプの方が犬がポーチの中のおやつを食べやすいようです。
我が家のボーダー・コリーにあえて間口の小さなポーチでおやつに対する執着心を計ってみたことがありますが、犬によってはなかなかおやつが取り出せずイライラしたケースもあります。
トイプードルやパピヨンなどの小型犬はポーチ間口が小さいものでも大丈夫です。小型犬の場合、ポーチ間口の広さよりもポーチ全体の重さが軽いものが良さそうです。パグやボストンテリアなどのマズルの短い犬の場合には、ポーチ間口が広めで浅いものが良いと思います。
- タグの形の違い
多くのトリーツポーチタグはタグの片側がポーチタグで片側がハンドルになっています。ポーチタグを犬が咥え、ハンドル部分を人が持ってタグプレイを楽しみます。
引きの強い犬にはハンドル部分がゴムが入ったバンジータイプのものやポーチタグの両端にハンドルの付いた2ハンドルタイプが良いかも知れません。2ハンドルタイプの場合、腕力の無い人でも楽に引っ張ることができます。犬と向き合った状態でタグプレイしながら、タグを咥える「持って」を教えたり、タグを離す「出せ」を教えたりする際には2ハンドルタイプのタグが教え易いかも知れません。
ポーチタグを投げて使用する場合はスティックタイプのポーチタグが扱いやすいです。アジリティトレーニングなどで旋回後の呼び戻しや障害の先にタグを投げたりする場合などは扱いやすく、投げやすいスティックタイプがお薦めです。
トリーツポーチタグには素材の違いや形の違いなど様々なタグがございます。犬の大きさや意欲、噛みや引きの強さ、トレーニング内容に応じてそれぞれ適したトリーツポーチタグをご使用ください。