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2015年 8月

9月を前にしてここ最近少しづつ秋の気配を感じるようになってきました。猛暑と台風に悩まされた今年の夏ですが、皆様にとっての今年の夏はいかがでしたか?

今年の夏は色んな学びと再発見があってとても充実した夏を過ごすことができました。前回ご紹介したオビディエンストレーナー研修会では ”犬とは何か!?”を教えていただき、またあらためて新鮮な気持ちで犬達と向き合う事ができるようになりました。

さらに先日は、クリッカートレーニングのワークショップに参加させていただき、これまで抱えていたモヤモヤをスッキリさせることができましたので、ここにご紹介したいと思います。

クリッカートレーニング自体の歴史は古く、日本に紹介されてからも久しいので日本語による専門書やトレーニングブックも多く出版されています。インターネットで検索するとトレーニングに関する動画や文章など、非常に多くの情報にアクセスすることができると思います。

私自身も2007年からドッグアジリティのトレーニングにクリッカートレーニングを取り入れてきました。当時もクリッカートレーニングに関する専門書やインターネット上に沢山のトレーニング方法が紹介されていましたので、それらを見ながら独学でトレーニングを行いました。

ただ、当時からクリッカートレーニングするなかで、犬に対してより正確な理解や作業スピードを求める際のトレーニング手法に悩む事が多く、すこしモヤモヤした感じをもっていました。今回、ワークショップに参加することにより、そのモヤモヤ感が少しでも晴れてくれればと思い、パートナーである”マオ”と参加してきました。

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今回のワークショップは”アニマルリレーションシップdeux”さん主催で、8月20日(木)~8月21日(金)の二日間開催されました。20日はクリッカートレーニングを正しく理解するための基礎編。21日は様々なトレーにニングへの応用編でした。

講師は、「カレン・プライヤー・アカデミー」の認定トレーナーであり、関西を中心に犬のしつけトレーニング「おりこうさん。」を主宰されている”ビア美香子”さんでした。

私自身は初日の基礎編のみの参加となりましたが、プロトレーナーから一般の愛犬家の方々、専門学校の学生さんなど総勢40名程の方が参加していました。

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ワークショップ初日の主な内容は以下のようになっています。

1.クリッカートレーニングとは!?
2.クリッカーの役割
3.なぜクリッカートレーニングなのか?
4.クリッカートレーニングの具体的な手順
5.キャプチャリング(Capturing)
6.キュー(Que)
7.シェイピング(Shaping)

ワークショップにおいては、テキストや映像を使った座学と犬同伴の参加者による実技を交えてとても丁寧に教えていただきました。

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クリッカートレーニングの基本的な手順は以下のようになります。

1.行動を観察する
  学習させたい行動を踏まえて犬の行動を良く観察する。
2.行動をマークする
  クリッカーを1回鳴らして求めている行動をマークする。
3.行動を強化する
  クリッカーでマークした行動を報酬をもって強化する。

これらの基本的な手順は、クリッカートレーニングに限った話ではなくドッグトレーニング全般においても基本的な手順となりますが、意外とこの基本的な事がうまく出来ずに悩んでいる方も多いのではないか思います。

犬の行動をよくよく観察し、望むべき行動を瞬時にマークし、マークされた行動に対して報酬を与えることで行動を強化する。これは、犬達との関係性を築く上でとても大切な事だと考えます。

犬達の行動を観察してみると逆の事が良く判ります。犬達は常に私たちの事を観察しています。私達の行動や言動から様々な情報を読み取り、いち早く応答しようとしていることが良く判ります。お散歩前や食事前の彼らの行動を観察するとその事がよく判ると思います。

また、犬達の行動に対して瞬時に、的確に、応答してあげるができれば犬達から信頼され、犬達に喜びや安心を与えてあげることが出来ると思います。同時にこれまで以上に積極的に考え、行動する犬になるのではないかと思います。

クリッカートレーニングは他のドッグトレーニング同様に事前の準備(プランニング)がとても重要になります。より高度な行動や作業を教える場合には、行動を観察するポイントやマークする行動、強化すべき行動をより細かくイメージしてプラインニングします。その上で、トレーニング状況を的確に判断して時にはプランニングし直す必要があります。

クリッカートレーニングはこれらの基本的な手順をより具体的に誰にでも判り易くしたしたトレーニング手法ですので、これからドッグスポーツやドッグトレーニングを楽しみたいと云う方にはおすすめするトレーニング手法だと思います。

つづく・・・

今年の夏は各地で猛暑が続き、お盆を過ぎてもいまだ蒸し暑い日が続いております。

屋外でのドッグスポーツやトレーニングも日中の暑さを避けて早朝や夜間の涼しい時間を見計らって行いますが、それでも気温も高く蒸し暑いので短時間で集中したトレーニングを行うために色々と工夫されている方も多いのではないでしょうか?

先日、犬のオビディエンストレーニングの研修会でとても興味深いお話をお聞きすることができましたので、ここにご紹介したいと思います。いっとき蒸し暑さを忘れてお読みいただければ幸いです。

この研修会はドッグトレーナーを対象にした研修会で、講師も参加者も全てドッグトレーナーです。研修会冒頭、講師から「犬とは?」と云う問いかけが参加者に投げかけられました。

    • 講師 :「犬とは何ですか?説明してください」
    • 参加者:「四本足の哺乳動物」
    • 参加者:「オオカミを祖先に持つイヌ科の動物」
    • 参加者:「ペット」
    • 参加者:「伴侶動物」
    • 参加者:「家畜」

    回答を求められた参加者はあまりにも漠然とした問いかけに戸惑いながらも”犬=○○”と思いつくままに回答しました。誰かが”犬=家畜”と回答し、これが今回の研修会の大きなテーマとなりました。

    jonathan

    • 講師 :「犬=家畜。それでは家畜の反対はなにか?」
    • 参加者:「家畜の反対は”野生?”」
    • 講師 :「そうですね!”家畜”の反対は”野生”ですね!」
    • 講師 :「それでは、家畜または畜産動物と野生動物の違いはなんですか?」

    と問いかけが続いていきます。

    • 参加者:「家畜は人間の生活に役に立つように飼育された動物で、野生動物は人間の生活には関係しない」
    • 参加者:「家畜は人間に依存しているが、野生動物は人間に依存していない」
    • 参加者:「家畜は人間との関係性を持ち易いが、野生動物は関係性を持ちにくい」

    今回はドッグトレーナーの研修会ですので、「家畜と野生動物の違いは?」と云う問いかけに対して、おのずと”人との関係性”に着目した回答が多くなります。

    タイミングを見計らって講師から今回の研修会に核となる回答がなされました。

    講師 :「家畜はいつまでも新しいことを受け入れることが可能であるが、野生動物は小さい時に経験した事を生涯貫く傾向にある

    動物においては、その動物が新しい事を受け入れ易い時期を「社会化に適した時期」と云われますが、家畜の場合は、社会化の時期を過ぎても環境の変化など新しいことをいつでも受け入れることが出来るそうです。

    逆に、野生動物は社会化の時期(子どもの時の非常に短期間)に経験した事が刷り込まれ、その刷り込みを生涯貫き生きていくそうで、家畜のように社会化の時期を過ぎてしまってからは環境の変化など新しい事を受け入れることが難しい傾向にあるそうです。

    家畜の場合、そういった新しい事への受け入れができるからこそ、太古の昔から今日まで刻々と変化する人間社会にも柔軟に対応し、我々のすぐ側で生きてこれたのだと云う事でした。

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    特に犬の場合には、社会化に適した子犬時代を過ぎてしまっても新しい事を受け入れる事は可能であり、新しい事を受け入れるために犬自身が人との関係性を意識して作ろうとしているそうです。

    この言葉には目からウロコが落ちる思いでした。確かにそう云われてみれば思い当たるふしが多々あります。私を含めて多くのトレーナーや飼い主が自分から犬達に関係性を求めてトレーニングしてきたと思いますが、時に犬達から人に対して関係性を求めて色んな行動を起こしていたことにお気づきになっているのではないかと思います。 

    犬を飼い始めて共に生活する中で人と犬は互いに多くの事を学びます。飼い主の多くが愛犬の生涯の幸せのために多くの愛情を注ぎます。家族の一員として共に笑い、時には厳しく接したりしながら互いの関係性をより強いものにしようとします。

    ドッグスポーツやドッグトレーニングは人と犬がお互いにより楽しく、より強い関係性を構築するために行いますが、関係性の構築は人から犬へのアプローチだけでなく、犬自身も働きかけている事を知っていることはとても大事な事です。

    スポンジのように色んな事を学び、吸収する幼少期以降でも犬達は私達との関係性を自ら作ろうと働きかけます。

    ドッグスポーツやドッグトレーニングにおいては、犬達のテンションコントロールがうまくできなかったり、互いの意思疎通がうまくできずに悩んでしまうことが必ずあります。

    そんな時、色んな方法を試しながらこの場の問題をうまく対処できるように犬達に関係性を求めてアプローチしますが、時としてその想いが通じない場合も多いかと思います。

    悩んだ時は、”犬はいつでも新しい事を受け入れ、自ら人との関係性を求める家畜である”と云う事を思い出しながら、焦らずじっくりとパートナーとのトレーニングに向き合う事はとても大事なのかも知れません。

    犬達が能動的に何かを学ぼうとしたり関係性を持とうとしてシグナルを発した際に、そのシグナルに直ちに応えることができれば、今以上のより強い関係性を構築することが出来るのではないでしょうか?

    朝晩の限られた時間で短時間で集中したトレーニングしたいと思うこの時期、そういった犬達からのシグナルを感じながらトレーニングを楽しむのはいかがでしょうか? 

    mao

    つづく・・・

2015年8月9日(日)、第3回目となる「バランスボールトレーニング@パウワウ」をパウワウ様のご協力の元に開催いたしました。

このバランスボールトレーニングは、イードッグラーニングでご紹介している犬のバランスボール(FitPAWS)を使って飼い主様自身が愛犬と一緒にフィットネストレーニングを楽しむものです。

FitPAWS

 

第3回目となる「バランスボールトレーニング@パウワウ」には、シニア犬クラスの1部、大型犬クラスの2部、小型犬クラスの3部で総勢16頭のワンちゃんたちが参加していただけました。

1部:シニア犬クラスの模様

今回から初めてシニア犬クラスを設けましたが、どのワンちゃんも飼い主さんとの関係性も良好でワンちゃんの身体の状態を確認した上で無理することなくバランスボールを使ったエクササイズを飼い主さんと一緒に楽しんでいたように感じました。

江本レビューちゃん江本シュガーちゃん佐々木りょーまちゃん田畑抹茶ちゃん

10歳を超えたワンちゃんたちにとっては屋外で思いっきり走り回ったりすることが徐々にできなくなっていますので、例え短時間でも室内での飼い主さんとワンツーマンのエクササイズは心と身体をリフレッシュできるのではないかと考えています。

シニア犬のトレーニングで重要なポイントは、以下の通りです。

  • ◆トレーニング前には必ず健康状態を確認する
  • ◆トレーニング時間は1回10分以内とする
  • ◆トレーニング前後を含めて常に状態を確認してください

繰り返しになりますが、シニア犬のワンちゃんたちにとっては大好きな飼い主さんと一緒に例え短時間でもワンツーマンで向き合えることが何よりのエクササイズと考えます。ワンちゃんの健康状態を確認しながら無理せずのんびりトレーニングすることが大事だと思います。

2部:大型犬クラスの模様

2部の大型犬クラスには、アジリティを楽しんでいる運動能力抜群のワンちゃんや体重38kgもあるワンちゃん、以前から参加してくれているワンちゃんたち総勢5頭のワンちゃんたちがエクササイズを楽しみました。

兼安パセリちゃん 山永ゴンノスケちゃん 緒方小梅ちゃん 小早川マルコフちゃん 栫だるまちゃん

 

ドッグスポーツを楽しんでいるワンちゃんたちは普段から体を動かすことはもちろんのこと飼い主さんと一緒に何かをすることがとても大好きです。なので ”いざ何かやる!?”となると、ややせっかちになる傾向にあると思います。

私の犬達もバランスボールの時間になると準備している段階で勝手に上に乗って誇らしげな顔をします。バランスボールトレーニングを好きになってくれるのは良いのですが、勝手に乗って怪我したり、姿勢の維持が出来なかったりしますので、落ち着いてトレーニングするようにしてください。

体重38kgのワンちゃんも最初に「FitPAWSバランスディスク」を使って慣らすことで、他のバランスボールへの移行もスムーズになります。最初から「FitPAWSドーナッツ」や「FitPAWSピーナッツ」などを使用せずに「FitPAWSバランスディスク」や「FitPAWSボーン」で慣らすことが大切です。

以前から参加してくれているワンちゃんたちはバランスボールがとても上手になってきました。飼い主さんとのコンビネーションもすごく良くなっていますので、トレーニング中に集中力が欠ける事もなくなっています。姿勢の維持も少しづつ長くできるようになっていますし、部分的な体幹や筋力の強化を行う事ができるようになってきました。

3部:小型犬クラスの模様

3部は元気いっぱいの小型犬のクラスで、このクラスも始めて参加してくれたワンちゃんと前回に引き続き参加してくれたワンちゃんたち総勢6頭のワンちゃんたちがエクササイズを楽しみました。

耳塚ビスコちゃん 小川ことちゃん 八坂コロンちゃん 八坂パピコちゃん 本園ぽー之助ちゃん 野田さくたろうちゃん

 

今回初めて参加してくれたワンちゃんたちも最初に「FitPAWSバランスディスク」を使って慣らすことで他のバランスボールへの移行もスムーズになります。

小型犬のワンちゃんたちは身軽なワンちゃんが多いので、最初の方こそとても慎重に動きますが、勝手が判ってしまえばスポーツドッグばりに思い切った動きをします。また、形成疾患を患っているワンちゃんも多いですので、例え身軽とはいえトレーニングの前後を含めてトレーニング中はシニア犬同様に状態を注意深く観察することがとても大事だと思います。

小型犬クラスも前回から参加してくれているワンちゃんたちはバランスボールがとても上手になってきました。こちらも飼い主さんとの関係性を作りながら集中して楽しくトレーニングできているようです。

パウワウ様でのバランスボールトレーニングは定期的に開催しております。バランスボールトレーニングにご興味のある方は、パウワウ様もしくはこちらまでご連絡ください。

つづく・・・

お知らせカレンダー

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