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2014年 10月

台風19号が日本を縦断した体育の日に都内で開催された「動物リハビリテーション実践セミナー」に参加してきました。

講師は、米国「Canine Rehab – Canine Fitness Unleashed」のオーナーで獣医師であるケリー・フィッシャー先生(Kerry Fisher (DVM, CCRP))です。ケリー先生は20年以上にわたって獣医師として動物リハビリテーションの医療活動に従事されています。

このセミナーは、日本動物リハビリテーション学会主催のセミナーで参加者の多くは、動物病院に勤務される獣医師の先生方や看護士の方です。

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午前中は座学形式で整形疾患や神経疾患に対する治療症例が紹介されました。問題(疾患)をチェックする際の注意点や対処(治療)方法の選定プロセスなどをケリー先生ご自身の経験をもとに詳しく説明していただきました。

犬の状態を観察する上では、以下のポイントを注意深く観察するそうです。

◆ 姿勢

頭、尾、肩甲骨、トップラインの位置やバランスを確認する

◆ 歩様

常歩や速歩などの歩様を確認する

◆ 運動機能

日常における健康度、虚弱度、筋力、バランス、柔軟性などを確認する

◆ 行動

問題行動がないか確認する

◆ 痛み

痛みを感じているかどうか確認する

◆ 力(筋力)

筋肉が委縮していないかどうか確認する

 

整形疾患、神経疾患を持った犬の場合には、特に歩様を細かくチェックするそうで、歩行やトロットでの頭部の位置、脚の運び、体重移動を観察する必要があるそうです。

※歩様については、ミネソタ大学のサイトでアニメーションで詳しく紹介されていますのでご覧ください。

歩様の中でも側対歩(同じ側の2本脚で交代に体重を支える:左側の二本に続いて右側の二本)については、側対歩が正常とされる犬種を除いては、犬が疲れている場合や肩や関節、腰、股関節などに痛みを持っている場合があるので注意して欲しいと云う事でした。

特にドッグアジリティなどのドッグスポーツを楽しんでいる犬は時に側対歩の歩様が見られる場合が多く、疲れによるものなのか、肩や腰の痛みによるものなのかをチェックする必要があるそうです。

 

お昼休憩を挟んで午後からはバランスボールを使ったリハビリテーションの実践セミナーが行われました。

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ケリー先生は、FitPAWSバランスボールの製造メーカーの顧問もされており、バランスボールを使ったリハビリテーションを数多く実践されています。最近は、整形疾患や神経疾患を持つ犬達のリハビリだけでなく、ドッグアジリティなどのスポーツドッグ(アクティブドッグ)のパフォーマンス向上のためのフィットネストレーニングも実践されているそうです。

当日は、セミナー会場となった動物専門学校のモデル犬を使って様々なバランスボールを使ったトレーニング方法を教えて頂きました。

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最初は簡単なドーナッツ型のバランスボールを使ったトレーニング

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ピーナッツ型のバランスボールを使った様々なトレーニング

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並べたバランスボールの上を上手に渡る黒ラブちゃん

バランスボールを使ったトレーニングは、病院や専門施設だけでなく、自宅で飼い主と一緒にトレーニングすることが出来ます。

1日5分~10分程度、バランスボールの上で座ったり、立ったり、廻ったりするだけのバランス運動で体幹や筋力を強化することができるそうです。

セミナー当日もモデル犬を使って色んなバランスボールで様々な動きを実践しましたが、どの犬も特にバランスボールを怖がることなくトレーニングすることができました。

【トレーニングポイント】

  ◇ 疾患のリハビリの場合には、掛り付けの獣医師と相談の上で行う

  ◇ 座ったり、立ったり、廻ったりする動きは最初に平らな所(床の上等)で教えておく

  ◇ 出来ればクリッカートレーニングで犬が積極的にトレーニングに取り組むように導く

  ◇ 1回のトレーニングは5分~10分程度 15分以上はやらない

 

朝10時から夕方5時までのセミナーでしたが、犬の健康状態をチェックする上での観察ポイントやバランスボールを使った様々なトレーニング方法を教えて頂き、とても有意義なセミナーでした。

Kerry先生はじめ本セミナーを主催いただいた関係者の皆様に感謝いたします。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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バランスボールを使ったトレーニング方法については、当サイトにて後日詳しくご紹介していきたいと思っております。

 
第17話 バランスボールを使ったエクササイズのご紹介 -その1-
 
つづく・・・

10月は2週連続で大型の台風18号と19号が日本列島を縦断し、各地で大きな被害をもたらしました。台風による浸水や家屋の倒壊で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

 

10月の第1週と第2週の週末は、台風接近の中、二週連続でドッグアジリティ競技会に参加してきました。

10月4日~5日は地元で開催された競技会に選手として参加し、翌週11日~12日は大阪で開催された競技会の審査員として参加しました。両大会共に台風の影響もなく競技会は無事に開催され、ドッグアジリティの初心者ペアから何度も世界大会に出場経験のあるトップペアまで多くの参加者が愛犬との楽しい時間を過ごしました。

 

ドッグアジリティとは、犬とハンドラーと呼ばれる人(指導手)がペアとなり行われる障害物を用いた競技です。ハンドラーが犬に指示を出し、障害を決められた順序の通りに通過します。失敗、拒絶のミスがなくかつ標準タイムと呼ばれる制限時間内に障害を全て通過したペアのうち、最もタイムが少ないペアが1位となります。世界40カ国以上の国と地域で楽しまれており、世界大会も開催されているドッグスポーツです。

 


 

ドッグアジリティ競技は、初心者クラスのビギナー、ノービス(アトレクション)クラスから中級、上級者の1度、2度、3度クラスとそれぞれペアのレベルに併せて競技が行われます。

また、犬の体高(前脚の肩の高さ)や年齢(シニア犬)に併せてハードルの高さが変わりますので、愛犬の体高や年齢に応じて犬の体に無理のない障害で競技を楽しむことができます。

国内のドッグアジリティ競技会は、主に2つの競技団体が年間を通じて各地で競技会を開催しています。

一般社団法人 ジャパンケンネルクラブ(JKC)

NPO法人 犬の総合教育社会化推進機構(OPDES)

 

先日の競技会もアジリティ初心者からトップペア、ベテランペアまで1日300走以上の競技が朝早くから開催されました。

トイプードルやミニチュアダックスフント等の小型犬からボーダーコリー、ラブラドールレトリバー、ジャーマンシェパードドッグなどの中型犬~大型犬まで様々な犬種がハンドラー(飼い主さん)と一緒に青空の下、楽しそうに走っていました。


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ハンドラーも老若男女、10代の子供から60代のベテランまで家族の一員である愛犬と日頃の練習の成果を発揮すべく、一生懸命にそして楽しそうに競技を楽しまれています。

シーズン初めの競技会とあって久しぶりにお会いする方達とも会場で話が弾みました。犬の話が中心ではありますが、お互いの近況など報告しあうことでドッグアジリティを通じて広がる友達の輪を実感できるのも競技会の楽しみの一つです。

大半の競技会が週末の休日に河川敷広場や運動公園などで開催されています。先日の大会も河川敷公園での競技会でしたので、土手の上には多くの観客が参加者の走りを楽しんでおられました。犬連れの観客も多く皆さん熱心に観戦されていました。

今現在アジリティを楽しんでいる方の多くは普通のご家庭で犬を飼われている方が大半です。しつけ教室などでドッグアジリティを知って始めた方も多いのですが、たまたま競技会を見かけてそれから始められた方も多いようです。

先にご案内した主催団体が競技会の開催スケジュールをホームページで案内していますので、お近くで競技会がある際には、是非一度、生のドッグアジリティ競技会をご覧ください。

ドッグアジリティはどんな犬種でもどんな方でも楽しめるドッグスポーツです。スポーツの秋、愛犬と一緒にドッグスポーツを楽しんでみてはいかがでしょうか?

 
つづく・・・

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