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2014年 3月 28日

犬の本能的な行動の一つに動いているものを追いかける習性があるのは皆さんよくご存知かと思います。犬は元来狩猟動物ですので、逃げるものがあれば追わずにいられない衝動・行動にかられます。

シープドッグやボーダー・コリー、コーギーなどに代表されるハーディングドッグ(牧畜犬)やアフガンハウンドやボルゾイ、グレーハウンドやウィペットなどに代表されるサイトハウンドドッグ(視覚獣猟犬)は特にその本能が強いようですが、ほとんどの犬たちが子犬の頃から動くものを追いかけて楽しそうに走る姿を目にします。

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  • 時には、お散歩中にジョギングしている人を追いかけようとしたり、自転車やバイクだけではなく、走っている自動車や大型のトラックや電車までも追いかけざるを得ない衝動にかられる強者もいるようですが、普段の生活においては、勝手に動いているものを追いかけるのは褒められる行動ではありません。事故や怪我を防ぐためにも”追いかけさせない事を犬に学ばせる”必要があります。

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そんな犬達の本能的な欲求行動をドッグスポーツにした「ルアーコーシング」は、偽物のウサギなどを疑似餌(ルアー)にし、それを電動ワイヤーで高速に引っ張りながら犬に追わせるスポーツで、欧米では盛んにおこなわれているドッグスポーツです。最近では日本国内でもルアーコーシングのクラブや競技会が開催されるようになり身近なドッグスポーツとしてこれからも愛好者が増えると思われます。

ルアーコーシングに限らず、ドッグアジリティやディスクドッグ、フライボールなどにおいても走る速さや呼び戻し・呼び寄せのスピードアップに、動いているものを追いかける本能的な欲求行動を利用したトレーニングは有効です。

「チェイサーゲーム」は、そんな犬の本能的な行動を利用して飼い主と楽しく遊ぶゲームの一つで、チェイサーとなるおもちゃを飼い主が引っ張って逃げることで犬におもちゃを追わせます。

ドッグトレーニングとしても、チェイサーゲームを利用して呼び寄せや呼び戻しのトレーニングを行う事も可能です。

チェイサーゲームの遊び方:

犬の目標となるチェイサーですが、一般的には長めの紐の先に毛皮のタグなどを取り付けた「チェイサータグ」を使います。


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チェイサータグは長さが1m~1.5m程度の長紐の先にタグとなる疑似餌が取り付けられています。タグは犬の狩猟本能をより一層高めるために本物の毛皮を使用したり、タグを2~3個取り付けることで動きに変化を与えるように工夫されています。

遊び方はとても簡単です。

ステップ1:

        • 最初は犬の近くでチェイサータグで遊びに誘います。誘い方はタグ部分を手に持って猫じゃらしみたいに動かしながら誘ってください。タグに興味を示すように楽しそうに誘ってください!
            犬がタグを追いかけたり、噛んだり、引っ張ったりしたら「そう!そう!」とか「いい子!いい子!」と云ったタグ遊びを盛り上げるような声かけをしながら言葉で良く褒めてください。タグを咥えて引っ張ったらタグの長紐一杯に緩めながら軽く引張り遊びしてあげてください。

ステップ2:

          • 軽く引張り遊びしたら長紐を緩めて引っ張ったりせずにタグを自由にさせます。動かなくなったタグを犬が犬が口から離したら再び長紐を動かしてタグを追いかけさせます。タグを咥えたら再度軽く引張り遊びしてあげます。
          • これを何度か繰り返すことで追いかける楽しさと飼い主との引っ張り遊び(タグプレイ)の楽しさを教えてあげます。

ステップ3:

          • 少しでも「待て」ができるのであれば、犬を待たせて犬から2~3m程離れてからチェイサ―タグを取り出し、少し走りながらタグを追いかけさせます。待たせて離れる際にはできるだけタグを見せないようにしてください。
          • 待たせて離れる距離を徐々に長くしたり、走るスピードを徐々に上げながら楽しくチェイサーゲームをします。

呼び戻し・呼び寄せのトレーニング:

          • 呼び戻しや呼び寄せのトレーニングをする場合には、3m~10m程度のロングリードを首輪に付けてロングリードを手に持ちながら犬を自由にします。最初は2~3m程離れた時に「来い!」とか「おいで!」とかのコマンドと同時に犬から逃げるように走りながらチェイサータグを追いかけさせます。タグを追いかけて咥えた時に良く言葉で褒めて引っ張り遊びをしてあげてください。
          • チェイサータグでの追いかけっこや引っ張り遊びを楽しくできるようになったら、同じように犬を自由にした状態で犬から離れ「来い!」とか「おいで!」と云ったコマンドをかけながら手に持ったチェイサータグで誘います。この際、犬から逃げることなくタグで誘って呼び寄せます。犬が走って飼い主に戻ってきたらよく言葉で褒めながらタグで引っ張り遊びしてあげてください。
          • 犬の戻りのスピードが遅くなってきた場合には、再び犬から逃げるように走りながらチェイサータグを追いかけさせます。

トレーニングポイント:

          • 最初は犬が落ち着ける(集中できる)環境(自宅・室内など)でトレーニングしてください。タグに対するモチベーション(欲)とチェイサーゲームに対するモチベーションを十分に高める必要があります。
          • 追いかけっこする際にタグ以外(ママやパパのズボンの裾や手など)を噛ませないように注意してください。タグを咥え易いように長紐を調整しながら追わせます。動くものを追いかける楽しさとタグを咥えて引っ張り遊びする楽しさの二つを教えることがポイントです。
          • 1回のトレーニングは5分~10分程度です。お互いに「もう少し遊びたい」と思えるタイミングでトレーニングを止めることで大好きなママやパパとのチェイサーゲームへの期待を高めます。
          • チェイサーゲームにおいても一緒に楽しみながらトレーニングすることが重要です。声をかけたり、盛り上げたりしながら楽しくゲームを楽しんでください。


チェイサーゲームもトリーツポーチタグを使ったタグプレイ同様に犬の本能的な欲求行動を満たしながら人と一緒に楽しめるトレーニングゲームです。犬種に関わらずほとんどの犬で楽しむことができますし、呼び戻しや呼び寄せの基本的なトレーニングも可能ですので、ぜひ一度お試しください!

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