9月になり朝晩めっきり涼しくなってきました。今年の夏は冷夏で例年の猛暑に比べていくぶん過ごし易かったのですが、各地で大雨による災害が発生し、甚大な被害をもたらしました
8月に発生した広島の土砂災害では、多くの方が大切な思い出の詰まった我が家や家族を一瞬にして失いました。被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。一日でも早く元の平穏な日々が過ごせる事を心よりお祈り申し上げます。
毎年9月1日は ”防災の日” として各地で大規模な避難訓練が実施されております。富山県では7日に黒部市で行われた県総合防災訓練においては、初めて人とペットが一緒に避難する「同行避難」の訓練が実施されたそうです。
ご存知の方も多いかと思いますが、環境省は2013年、災害時にはペットと飼い主らの安全確保を前提に、飼い主と一緒に避難する「同行避難」を原則とするガイドラインを作成しました。
東日本大震災などの大規模災害においては、多くの人とペットが被災しました。これらの経験を踏まえて飼い主とペットが同行避難することが合理的であると考えられ、そのためのガイドラインが作成されました。
このガイドラインは、自治体などが災害の種類や地域の状況に応じて独自の災害対策マニュアルなどを作成する際に、ペット対策を検討する際の参考になる事も目的として作成されており、より合理的と考えられる飼い主の責任によるペットとの「同行避難」が原則とされています。
ガイドラインの中身は以下のような内容になっております。(環境省報道資料より)
(1)平常時及び災害時におけるそれぞれの役割
ペットの飼養に対する飼い主の自覚や責任が重要であることを基本とし、自治体、地方獣医師会や民間団体・企業などの役割について
(2)災害に備えた平常時の対策、体制の整備
平常時から飼い主が取っておくべき対策や心構えを中心に、関係自治体における避難所や仮設住宅でのペットの受入れ配慮、動物救護体制の整備や救護施設の設置に関わる検討について
(3)災害発生時の動物救護対策
災害が発生した際の初動対応から避難所や仮設住宅でのペットの飼育、保護が必要な動物への対応、動物救護施設の設置や運営、情報の提供、動物救護活動の終息時期の判断について
(4)動物救護活動を支えるもの
動物救護活動では重要な人材の確保、特にボランティアの確保や配置のほか、必要な物資の備蓄や活動資金の確保について
ガイドラインそのものはあくまで各自治体がペットの救護対策を検討する際のものとなっていますが、我々飼い主が個々に防災に対する意識や具体的な行動を考える際のガイドラインにもなっています。
ペットとの同行避難においては、飼い主の責任と役割が重要とされており、平常時及び災害時の行うべき対策として以下のような事例が挙げられています。
平常時:
●住まいの防災対策
●ペットのしつけと健康管理
●ペットが迷子にならないための対策(マイクロチップ等による所有者明示)
●ペット用の避難用品や備蓄品の確保
●避難所や避難ルートの確認などの準備
災害時:
●人とペットの安全確保
●ペットとの同行避難
●避難所・仮設住宅におけるペットの飼育マナー遵守と健康管理
私自身、犬を飼い始めて平穏に生活するためにしつけ教室に通い、犬達と共に楽しむためにドッグアジリティを始めました。アジリティの世界大会に出場する機会を頂いた時に初めてマイクロチップも装着しました。すべてはドッグスポーツを楽しむために必要となるしつけ教室や社会化教育でした。
今回、ガイドラインを読んでみて、災害時に犬達と一緒に避難し、周りの方の迷惑にならないように避難生活を送るために、飼い主として日頃から準備し、行動することがペットとの同行避難の基本であることを改めて認識しました。
犬のしつけや社会化教育のためのトレーニングは、普段の生活やドッグスポーツを楽しむためだけに必要とされる訳ではなく、災害時に家族の一員として一緒に避難するために必要なトレーニングでもあると思います。
これからはしつけ教室やドッグトレーニングスクールにおいて、社会化教育のためのしつけやドッグスポーツを楽しむためだけのトレーニングだけではなく、災害時に備えたトレーニングや健康管理、避難対応方法などについても学ぶ機会が増えてくると思っています。
この機会に大切な家族の一員であるペットと一緒の同行避難(防災)について考えてみてはいかがでしょうか?
つづく・・・