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2014年 4月 24日

ここ数日は初夏を思わせるようなお天気が続いています。散歩の途中、ほんの少しタグプレイで遊んだだけでうっすらと額に汗がにじんできます。5分程度で止めるはずだったタグプレイですが、気が付けば汗だくになりながら夢中で遊んでしまいます(^^;)

タグプレイを楽しく遊ぶためには、咥えているタグを気持ちよく出してもらう必要があります。

タグプレイを教える段階では、タグに興味を示す → 咥えて遊ぶ → 引っ張って遊ぶと云った一連のタグプレイができるようになったら最後は人がタグを譲り、犬にタグを獲得させてあげること大事です。タグと云う獲物を獲得した事で犬が自信を持つようになります。

ここまでは割とすんなり楽しくトレーニングできるのですが問題はここからです。

一度獲得した獲物(タグ)は、「出して!」とか「ちょうだい!」と優しくお願いしてもなかなか手放してはくれません。

「獲ったどーー!」と叫ばんばかりにブンブン振り回したり、少し離れた場所にタグを咥えて持って行っては自分の足下にポトンと落とし、前脚でタグを抑えながら自慢げな眼差しを送ってきます。

こちらとしては、もう一度タグプレイするためにすぐさまタグを出してもらいたいところですが、一度獲得した獲物をたやすく渡してくれる聞き分けの良い犬はほとんどいないようです(苦笑)

そうこうしているうちにこちらの方がシビレを切らしてタグを強引に奪い取ってしまいがちですが、タグプレイにおいては強引に奪い取ることは禁物です。

一緒に楽しく遊んだはずのタグプレイが、最後はいつも互いの力勝負になってしまうと力勝負ばかりが助長されてしまい、ゆくゆくは様々な問題行動につながる可能性がないとも言い切れません。

聞き分けの良い子を演じる賢い犬は、どんなに楽しく遊んでも獲得した獲物が最後は必ず絶対的なボスに強引に奪い取られてしまうことで、タグプレイそのものがつまらない遊びだと理解してしまう可能性も高くなってしまいます。

では、どうすれば気持ち良くタグを出してくれるのでしょうか?

力勝負するのではなく「出してくれないなら、もう遊ばない!」と云う毅然とした態度を示すことで遊びのルールを理解させてあげることも有効だと思いますが、気持ち良く出すことを理解させる初期段階では別の手段が良いかも知れません。

色々な方法があるかも知れませんが、私の場合はもう一つ別のタグを使っています。獲得したタグとは別のタグを持って再び遊びに誘います。大好きなママやパパが別のタグを手に楽しそうに誘ってあげれば咥えたタグを手放し、新たなタグを咥えようとしたり、追いかけようとします。

咥えたタグを出した瞬間にクリッカーを鳴らしたり、大袈裟に褒めてあげてください。同時に手に持った別のタグで再び楽しくタグプレイしてあげます。これを繰り返すことでタグを気持ち良く出すことを理解してもらいます。

「ダセ!」「チョウダイ」、「ハナセ」と云ったコマンドは後から被せても構いません。

大事なのはタグを出した瞬間にクリッカーを鳴らしたり、褒めたりして直ちに別のタグで遊んであげることで、”出す” 行為が気持ち良いものだと理解してもらうことが重要です。

イードッグラーニングで取り扱っているウクライナ生まれの「PULLER」はスタンダードタイプもミニタイプもそれぞれ2個1セットになっています。

「何故2個1セットなのか?」製造元のCOLLAR 社の担当者に尋ねたところ、「PULLER はトレーニング用のおもちゃなのでPULLERを使って引っ張り遊び(タグプレイ)や持って来い(持来)のトレーニングを行う際には必ず2つのPULLERを使ってトレーニングすることを薦めている」と云う事でした。


260-PULLERS
2011 年に USDAA のアジリティ大会に参加した際も、カナダのメジャープレーヤーが若いボーダーコリーと会場の至る所でタグプレイしているのを見ました。目の前で他の犬がアジリティを走っている最中でもリンクサイドで彼女の若いボーダーコリーは集中してタグプレイを楽しんでいました。

夢中でタグプレイを楽しんでいる最中に彼女は静かにコマンドをかけてタグを出すことを求めました。「ダセ!」のコマンドで若い犬がタグを出す、その瞬間タグプレイの何倍もの笑顔でその若い犬を褒めたたえていたことを今でも鮮明に覚えています。

気持ち良く出すことが出来ればタグプレイを意欲的に集中して楽しんでいる証なのかも知れません。

つづく・・・

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