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第23話 犬とは!?


今年の夏は各地で猛暑が続き、お盆を過ぎてもいまだ蒸し暑い日が続いております。

屋外でのドッグスポーツやトレーニングも日中の暑さを避けて早朝や夜間の涼しい時間を見計らって行いますが、それでも気温も高く蒸し暑いので短時間で集中したトレーニングを行うために色々と工夫されている方も多いのではないでしょうか?

先日、犬のオビディエンストレーニングの研修会でとても興味深いお話をお聞きすることができましたので、ここにご紹介したいと思います。いっとき蒸し暑さを忘れてお読みいただければ幸いです。

この研修会はドッグトレーナーを対象にした研修会で、講師も参加者も全てドッグトレーナーです。研修会冒頭、講師から「犬とは?」と云う問いかけが参加者に投げかけられました。

    • 講師 :「犬とは何ですか?説明してください」
    • 参加者:「四本足の哺乳動物」
    • 参加者:「オオカミを祖先に持つイヌ科の動物」
    • 参加者:「ペット」
    • 参加者:「伴侶動物」
    • 参加者:「家畜」

    回答を求められた参加者はあまりにも漠然とした問いかけに戸惑いながらも”犬=○○”と思いつくままに回答しました。誰かが”犬=家畜”と回答し、これが今回の研修会の大きなテーマとなりました。

    jonathan

    • 講師 :「犬=家畜。それでは家畜の反対はなにか?」
    • 参加者:「家畜の反対は”野生?”」
    • 講師 :「そうですね!”家畜”の反対は”野生”ですね!」
    • 講師 :「それでは、家畜または畜産動物と野生動物の違いはなんですか?」

    と問いかけが続いていきます。

    • 参加者:「家畜は人間の生活に役に立つように飼育された動物で、野生動物は人間の生活には関係しない」
    • 参加者:「家畜は人間に依存しているが、野生動物は人間に依存していない」
    • 参加者:「家畜は人間との関係性を持ち易いが、野生動物は関係性を持ちにくい」

    今回はドッグトレーナーの研修会ですので、「家畜と野生動物の違いは?」と云う問いかけに対して、おのずと”人との関係性”に着目した回答が多くなります。

    タイミングを見計らって講師から今回の研修会に核となる回答がなされました。

    講師 :「家畜はいつまでも新しいことを受け入れることが可能であるが、野生動物は小さい時に経験した事を生涯貫く傾向にある

    動物においては、その動物が新しい事を受け入れ易い時期を「社会化に適した時期」と云われますが、家畜の場合は、社会化の時期を過ぎても環境の変化など新しいことをいつでも受け入れることが出来るそうです。

    逆に、野生動物は社会化の時期(子どもの時の非常に短期間)に経験した事が刷り込まれ、その刷り込みを生涯貫き生きていくそうで、家畜のように社会化の時期を過ぎてしまってからは環境の変化など新しい事を受け入れることが難しい傾向にあるそうです。

    家畜の場合、そういった新しい事への受け入れができるからこそ、太古の昔から今日まで刻々と変化する人間社会にも柔軟に対応し、我々のすぐ側で生きてこれたのだと云う事でした。

    genie

    特に犬の場合には、社会化に適した子犬時代を過ぎてしまっても新しい事を受け入れる事は可能であり、新しい事を受け入れるために犬自身が人との関係性を意識して作ろうとしているそうです。

    この言葉には目からウロコが落ちる思いでした。確かにそう云われてみれば思い当たるふしが多々あります。私を含めて多くのトレーナーや飼い主が自分から犬達に関係性を求めてトレーニングしてきたと思いますが、時に犬達から人に対して関係性を求めて色んな行動を起こしていたことにお気づきになっているのではないかと思います。 

    犬を飼い始めて共に生活する中で人と犬は互いに多くの事を学びます。飼い主の多くが愛犬の生涯の幸せのために多くの愛情を注ぎます。家族の一員として共に笑い、時には厳しく接したりしながら互いの関係性をより強いものにしようとします。

    ドッグスポーツやドッグトレーニングは人と犬がお互いにより楽しく、より強い関係性を構築するために行いますが、関係性の構築は人から犬へのアプローチだけでなく、犬自身も働きかけている事を知っていることはとても大事な事です。

    スポンジのように色んな事を学び、吸収する幼少期以降でも犬達は私達との関係性を自ら作ろうと働きかけます。

    ドッグスポーツやドッグトレーニングにおいては、犬達のテンションコントロールがうまくできなかったり、互いの意思疎通がうまくできずに悩んでしまうことが必ずあります。

    そんな時、色んな方法を試しながらこの場の問題をうまく対処できるように犬達に関係性を求めてアプローチしますが、時としてその想いが通じない場合も多いかと思います。

    悩んだ時は、”犬はいつでも新しい事を受け入れ、自ら人との関係性を求める家畜である”と云う事を思い出しながら、焦らずじっくりとパートナーとのトレーニングに向き合う事はとても大事なのかも知れません。

    犬達が能動的に何かを学ぼうとしたり関係性を持とうとしてシグナルを発した際に、そのシグナルに直ちに応えることができれば、今以上のより強い関係性を構築することが出来るのではないでしょうか?

    朝晩の限られた時間で短時間で集中したトレーニングしたいと思うこの時期、そういった犬達からのシグナルを感じながらトレーニングを楽しむのはいかがでしょうか? 

    mao

    つづく・・・

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